ラドリオの大きな魅力のひとつが、現在の店長をつとめる池本さんです。
10年ほど前にラドリオで働きだしたという池本さん。それまでラドリオに来たことはなかったが、友達の紹介がきっかけでラドリオで働くことになったそうです。
京都出身の池本さんは、学生時代にも地元の老舗喫茶店でバイトをしていたそうで、そのときもきっかけは友達だったといいます。
池本さんにとって喫茶店は、なにか運命的なつながりがあるものなのかもしれません。
ラドリオには、今なお語り継がれる「あいこママ」と呼ばれる店長がいました。91歳でなくなるまでラドリオを支え続けたあいこママ。当時の思い出を求めて来店する人はたくさんいるのだそうです。
「流れに任せて」
店長でさえ、そう思っていないとお店の歴史に自分がつぶされてしまいそうなときがあるのだといいます。その根底にあるのは、「常連さんが持っている思い出は大切にしたい、自分が壊してしまわないように」という、常連さんに対する池本さんの優しさです。
「いい意味で気負わず、出来うる限りのことを精一杯やりたい」と、現店長の池本さんは話してくれました。
最近は学生など若い人も来ることがあるようで、人によっては「きたない」と思ってしまうような古い喫茶店のラドリオに、わざわざ若い人が来てくれることが店長は不思議に感じるそうです。
建物がある限りはこの店は残るだろうと語る店長。「今の若い人たちはきれいなお店が好きなんだろうなあ」といいつつ、「なんでカフェに行くんだろう?高いよね。あまり落ち着けないし。」と、やはり店長さんは喫茶店が好きなのだろうなというのを感じます。
「敷居の高いお店もいいけれど、より多くの人に見ていってほしい。65年も続いているということは、私たち以外の人にも知ってほしいから。縁あって来てくれたらうれしいな。」