『三四郎』 夏目漱石
新潮文庫 1948年
スポット 東京大学 三四郎池
三四郎は池のはたにしゃがみながら
ふとこの事件を思い出した。
電車さえ通さないという大学は
よほど社会と離れている。
主人公の小川三四郎は九州から大学入学のために上京してきた。
東京は三四郎の常識とは全く違った世界であったが、さまざまな人と出会い彼は成長していく。
そして三四郎は、上京する列車の中で出会った都会的な女性、美禰子に心を惹かれ、美禰子に恋い慕うようになる。
物語の中で三四郎が美禰子との再会をする場面で出てくるのが、三四郎池という呼び名で知られている東京大学構内にある育徳園心字池だ。
九州から東京の大学へやってきた三四郎にとって、そこはまったく未知の世界であった。
静かに池を眺めながら、見知らぬ土地でひとり時間を過ごす三四郎と自身を重ねるのはいかがだろう。