A,ハウスには昔から憧れがあった。前に住んでいたアパートは狭かったから、広くてかっこいいハウスは良いなあって。それに僕は版画家で、会社勤めじゃないから、安らげる空間が欲しいわけです。そんなとき、ハウスに住んでた友達に住まないかって誘われたんですよ。そのときは昭島のハウスで、16年過ごした。16年目のときにそこが取り壊されるっていうから、ここ(Xエリア)に移ってきたんです。こっちには大体、12年くらい住んでますよ。合わせると30年くらい、ハウスに住んでることになるね。
A,銅版画です。好きなものを好きなように描いて、たまに個展を開いたりしてます。作品はハウスに住む前、学生時代からつくってましたね。でも美術の専門学校に入ったときは、主に油絵を描いてた。28歳のときに版画のグランプリで賞を取ってから、本格的に版画をやり始めたんです。だから大体、42~3年版画をつくってますよ。
A,一番はコミュニケーション。近所付き合いがしやすいんです。家が繋がってるから何かと接する機会も増えるし、すぐ仲良くなっちゃうんですよ。 それからここは圧倒的にアトリエに向いてる。シンプルな壁だから作品を飾りやすいし、いくら釘を打っても問題ない。それから作品をつくるのに充分なスペースと、大きな音をだしても近所を気にしなくても良い環境がある。だから作家が住むには、うってつけの場所だと思いますね。
A,大変ですね。でもやっぱり、こんなに環境の良い場所はなかなか無いですし、移る気は起きないですよ。